類似性・相補性
ここで少し、あなたのパートナーを思いおこしてください。あなたのパートナーは、あなたに似ているでしょうか?それともまったく似ていませんか?
社会心理学者バーンは、自分と相手の態度の類似性と行為の関係を調べる質問調査を行いました。
まず、被験者に政治に対する態度の調査を行い、それを基に本人の回答に類似したものと類似しえないものの2種類の
偽の回答用紙を作成しました。後日それを本人である被験者に見せ、匿名の人が回答した結果と偽り、その架空の相手にどれだけ好意を感じるか尋ねました。
結果は簡潔で、態度の類似性が高い方に強い好意が向けられました。態度が似ている相手にひかれる理由としては、
相手から同意を得られやすいこと、無用なけんかをせずに一緒に活動できる事、相手の行動が予測しやすいことなどがあげられます。
ところがこれが態度ではなく、性格となると結果は少し違ってきます。ウィンチは、25組の夫婦を対象に正確と愛情に関しての調査を実施しました。
その結果によると、支配―服従の次元に関しての性格の違いがみられる夫婦のほうが愛情が強いという事が分かりました。
つまりどりらかが威張りたがり(支配的性格)でもう一方が従順(服従的性格)であるほうがうまくいくというわけです。
このように違う性格のもの同士が補いあってうまくいくということを「相補性」といいます。似ている相手を選ぶか似ていない相手を選ぶか、
いずれにしてもわれ鍋にとじ蓋とはよくいったものです。
妄想性認知/好意の返報性
出会い系サイトがらみの犯罪が増えています。なかには「イライラすることを言われ、かっとなった」という男性側の一方的な理由だけで、
女子大生が殺される事件にまで発展した例もありました。
対面状況の会話では、非言語的コミュニケーションがあるばかりではなく、言葉の意味をそのたび確認したり、修正したりすることが可能です。
しかしメール交換では、多くの文字情報が一方的に伝えるかだけで、受けては言葉があいまいでも、その文脈を繰り返し読むころで自分なりの解釈をしてしまうことがあります。
このような解釈のゆがみを「妄想性認知」といいます。また、出会い系メールはたくさんの人から送られた短い文章だけを手がかりに、
お気に入りの相手を選ぶことから始まります。しかし、それだけでは初めての人を正確に認知するのにとても十分な情報量とは言えません。
そのような条件の中では、相手からの誇大なセルフ・プレゼンテーションが行われる可能性も高くなりますし、光背効果も起こりやすくなります。
さらに好き・やさしい・尊敬するなど、好意的な言葉が書かれていると、その分、受け手も好意を感じやすくなる「行為の返報性」が生じます。
最近はメールをきっかけに出会い、結婚する例もあり、インターネットは重要な役割を果たしているのでしょう。
しかし、若い女性に被害が多いことからも、女性はとくに妄想性認知の餌食にならない利用法をこころがけたほうがよいでしょう