ロミオとジュリエット効果 親和動機・錯誤帰属
引き裂こうとすればするほど愛が燃え上がる。そんな言葉をどこかで聞いたことはありませんか。
トリスコールが140組の恋人や夫婦を対象に調査を行い、恋愛感情の強さを規定する要因を調べたところ、
親が妨害していると感じているカップルほどお互いの恋愛感情が強いという相関関係が見られました。
トリスコールはこの現象をシェイクスピアの名作にひっかけてユーモアたっぷりにロミオとジュリエット効果と名付けたのです。
ちなみにこの現象は恋愛関係にだけ見られるわけではありません。加入する時に難しい関門のあるクラブの方が
加入が優しいクラブより魅力度が高いと言うアロンソンとミルズの実験結果もあります。
難関校の出身者が母校のスポーツ観戦で愛好心を燃やしているのもこんな効果が働いているのかもしれません。
何にせよえがたいものほど強い魅力を感じるということです。
親和動機・錯誤帰属
何か不安なことがあるとき人は独りでいるより誰かと一緒にいたいと思います。このことを親和動機と言います。
シャクターは実験室で強い電気ショックを受けると予告された被験者の方が、 弱い電気ショックを受けると予告された被験者に比べ、親和動機が高まることを実証しました。
不安な時には自分と同じような環境にいる人に対する魅力が増す理由です。またこのような対人魅力の高まりは恋愛感情においても見られます。
ダットンとアロンは女性の研究者を使って石橋の上と吊り橋の上で男性の被験者にイメージテストを行い、その結果を比較する実験を行いました。
テスト後女性研究者は、「実験結果に興味があったら電話をしてほしい」 と自分の電話番号を被験者に渡しています。
するとより危険な吊り橋の上で実験に参加した男性の方が、テストの回答に性的なイメージを多く含み実験後女性研究者に電話をする確率も高かったのです。
つまり危険な吊り橋の上にいた男性の方が女性研究者に強い対人魅力を感じたことになります。
しかしこのような結果を導いた原因には親和動機の他に情動の問題も指摘されます。
この場合の被験者はドキドキしているのは危険な場所のせいではなく目の前にいる女性のせいだと原因を誤ってしまったのです。このような現象を情動の錯誤帰属と言います。
なにわともあれ不安を感じたり心臓がドキドキするような体験をした時に対人魅力は高まるということですから、
お化け屋敷やジェットコースターに意中の相手を誘うのは心理学的にも効果的なデートコースと言えるでしょう。